ブックタイトルきずな No.148

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きずな No.148

JAなめがた広報誌『きずな』 2014.10 12ドクターレポート◆★全体運★リスクを恐れず動いてみて。停滞していた事柄に打開策が見つかるかも。ポジティブ思考も好転のきっかけに★健康運★気軽にできる運動が体調キープの秘訣(ひけつ) ★幸運を呼ぶ食べ物★エリンギDoctorReport土浦協同病院神経内科科長石原 正一郎聞き手‥神経内科とはどういう科なのか教えて下さい。石原‥神経内科は、心療内科、神経科(精神科)などと間違われることが多いのですが、それらの科は主に躁病やうつ病、神経症など、心の問題を扱うことが多い科です。しかし神経内科では脳や手足の神経、筋肉などの臓器で血管が詰まって障害が出たり、感染や自己免疫反応というアレルギーのような反応が出たりして臓器の機能に異常を来たす疾患を診断し、薬で治療することなどが主な仕事です。また、同じ疾患でも手術が必要になった場合には診療科が脳神経外科(脳外科)などに変わります。 他には、変性疾患という、脳や神経、筋肉などの細胞が原因は不明ですが勝手に壊れていってしまう疾患などの診療も行います。更には、人口の高齢化と共に最近はアルツハイマー病など、認知症の患者さんも増えていますが、認知症の診断・治療なども神経内科で行うことが多いです。聞き手‥神経内科で診療する疾患の中で最も多いのはどのような病気ですか?石原‥一番多いのは脳梗塞で、次が脳出血です。脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血などをまとめて脳卒中と言いますが、脳卒中は日本人が寝たきりになる原因として一番多い疾患ですし、一度脳卒中にかかった方はまたかかりやすいので、きちんと予防をすることが大切だと思います。聞き手‥脳卒中にならないようにするために、何か気をつけなければいけない点はありますか?石原‥まずは血圧です。血圧が高いと血管の壁に負担がかかって血管が詰まりやすくなったり破れやすくなったりします。これを動脈硬化と言いますが、この動脈硬化の進行を抑えるのに血圧コントロールが重要です。また、他にも血液中のコレステロール、特に悪玉コレステロールと言われているLDLコレステロールを低く保つことが大切です。あとはよく言われていることだと思いますが、血糖値や尿酸値を正常に保つこと、禁煙することやアルコールをたくさん飲まないようにすることなども非常に大切です。聞き手‥動脈硬化を防ぐために、日常生活で他に気をつける点はありますか?石原‥動脈硬化とは、いわば血管の老化のようなもので、誰でも歳とともに徐々に進行していきます。その血管の老化を早める要素として、先ほど挙げたようにいろいろな疾患が関わってきます。歳をとることについては止めようがありませんが、血圧や血糖値、コレステロール値などは食事や運動などの日常生活に気をつけることによってある程度コントロールできるので、これらについて気をつけることが大切なのです。 具体的には、日頃の食事量については太り過ぎないように、中身については脂っこいものをたくさん摂らないように気をつけること、普段から日常的に運動を行うことが大変重要です。血圧や血糖値、コレステロール値などが高く、生活習慣病であると診断されたら更にきちんと食事・運動療法を行い、それでも不充分であれば薬を飲んで治療を行ってゆくことも必要です。聞き手‥では、薬を飲んでいれば食事や運動はあまり気にしなくても大丈夫ですか?石原‥ここで重要なのは、薬さえ飲めば日常生活は適当で良いということではなく、薬はあくまでも生活習慣病治療の補助手段であるということです。食べ放題の食事や運動を全くしない生活をしつつ薬を飲むのでは、薬の種類や量が増えてしまったり、病気のコントロールが悪くなってしまったりすることが多いことを忘れてはなりません。薬の種類や量が増えるということは副作用が出てしまう可能性が高くなる上に、薬剤費の自己負担分も増えてお金が余計にかかってしまうことになります。 したがって、動脈硬化に関しては、まずは食事療法、運動療法で治療を行い、それでも目標値に達しない場合にのみ飲み薬で治療を行うことになっています。 また、多量の飲酒や喫煙に関しても動脈硬化を悪くすることが知られていますので、飲酒は適量にとどめ、喫煙は控えるようにすることが必要です。聞き手‥他に、不整脈なども脳梗塞の原因になることがあると聞きましたが、本当でしょうか。石原‥本当です。心臓病のうちの一部は脳梗塞になりやすくなることがわかっています。脳梗塞の原因として一番多い心臓の疾患は不整脈、特に心房細動です。心房細動では自覚症状がない場合も多いですので、きちんと定期的に健康診断を受けて早期発見に努め、不整脈の診断を受けたらしっかりと治療を受けることが重要です。 心房細動については心臓カテーテルで治療して不整脈を消す方法や飲み薬で消す方法があります。それらの方法が使えない場合や使っても不整脈が消えない場合などには、血液が固まりにくくして心臓の中に血の塊ができるのを予防する薬を飲むことになります。 心臓の中に血の塊ができると、それが流れていって血管が詰まり、脳梗塞になる可能性があるからです。聞き手‥脳梗塞予防の薬を飲んでいると血液検査が必要だったり、食事に制限があったりしますか?石原‥したがって、不整脈がある方は循環器内科の医師の指示に従い、必要に応じて内服治療をきちんとすることが必要です。今までにも多くの著名人の方が脳梗塞で倒れています。特に不整脈からくる脳梗塞で重大な脳卒中を起こす方は非常に多いですが、最近では不整脈の方の脳梗塞予防のための新しい薬が次々に出てきて、脳梗塞予防に優れた効果を発揮することがわかってきています。 昔よく使われていた血が固まりにくくする薬は納豆と相性が悪かったり、食べ物との関係で効果の強さが変わってしまったりするために、採血して飲む量の調整が必要でした。しかし、最近出てきた薬では毎回採血しなくても大丈夫ですし、受診するたびに採血結果を見て飲む量を調節することは必要でなくなったので、患者さんの負担はずいぶん減ったと思います。聞き手‥予防のしかたについてはよくわかりました。では、脳梗塞のときにはどのような症状が出ることが多いのでしょうか。石原‥脳というのは場所によっていろいろな仕事を分担しているため、障害が出た場所によって症状も違ってきます。したがって、必ずこのような症状が出るということはありませんが、よくある症状としては、片側の手足が動かしにくい、力が入りにくい、ろれつがまわらない、めまいがする、などが挙げられます。 同じような症状は他の病気でも出ることがありますが、脳梗塞によってこれらの症状が出るときには、症状が突然生じる、という点が特徴的です。聞き手‥わかりました。では、脳梗塞かも知れないと思ったら、どうすればよいのでしょうか。石原‥まずは症状が出たら早く受診することです。脳梗塞ができている場合、CTやMRIなどの検査を行うと、どの場所にどの程度の脳梗塞ができているのかがわかることが多いです。近くに脳外科(脳神経外科)や神経内科があるなら、そちらを受診すると更に良いと思います。聞き手‥症状が出たら早めの受診が大切ということですね。今日は有り難うございました。石原‥有り難うございました。脳梗塞の予防と診断について