ブックタイトルきずな_No.154

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概要

きずな_No.154

10JAなめがた広報誌『きずな』2015.10ドクターレポートDoctorReportなめがた地域総合病院内科永田博之聞き手‥はじめに、大腸がんとはどのような病気ですか?永田‥大腸は長さ1m50cmほどの管状の臓器で、食べ物の残りかすから水分を吸収して、便を作ります。また、便を溜めておくことも大事な働きです。その大腸の内側の粘膜から発生した、異常に増殖する細胞の塊が大腸がんです。聞き手‥大腸がんは稀な病気ですか?永田‥残念ながら、稀ではありません。「自分にはがんはおこらないだろう」と誰しも考えます。しかし、現在、日本人の約2人に1人は何らかのがんにかかり、3人に1人はがんで死亡します。日本の2013年度の最新がん統計で、大腸がんの死亡数は、男女計で肺がん、胃がんに次ぐ3位です。年間約47 , 000人が亡くなりました。決して珍しい病気ではないのです。聞き手‥近年増えているがんと聞きましたが、原因はあるのですか?永田‥遺伝的要因もありますが、食生活の欧米化による脂肪食の増加、喫煙・アルコールなどの生活習慣の要因も影響していると考えられています。肥満や運動不足、糖尿病などもリスクですから、生活習慣病とも言えます。いわゆるメタボ対策は大腸がんにも重要です。喫煙に関しては自分の努力で禁煙できれば、リスクを減らせます。喫煙は肺がん、咽頭喉頭がん、食道がんなどの「がん」のみならず、心疾患・脳疾患など様々な疾患のリスクとなっています。副流煙から周りの家族の健康を守る意味でも禁煙をお勧めします。聞き手‥大腸がんがあるとどのような症状になりますか?永田‥早期がんでは、ほとんど症状はありません。また、進行がんでも、かなり病状が進むまで気づきません。一般的な症状としては、がんからの出血で血便がでます。排便時に、通過障害を来たし、便秘や下痢を繰り返しおこす方もいます。また、腹の張り感や腹痛がでる方もいます。明らかな血便としては自覚できなくても、少量の出血が持続するため、次第に貧血や体重減少を来たす方もいます。痔だと思って長年血便を放置している方も多いようです。本当に痔でよいのか調べた方が良いかもしれません。聞き手‥大腸がんに対する治療はありますか?永田‥最初でも説明したように、大腸がんは腸の内側の粘膜から発生します。ごく早期のがんであれば、腸の粘膜内にとどまっています。大腸内視鏡で観察しながら、内視鏡的に切除できる場合があります。顕微鏡検査で安全に切除できたことが確認できれば、そこで治療は終了します。一方で、内視鏡切除では完全に治すことが難しいと判断すれば、CTなどの画像検査結果を踏まえ、がんの進行度を評価する必要があります。その進行度を、「病期」または「ステージ」と言います。医療ドラマなどで「ステージ4の進行がん」などと、聞いたことがあると思います。がんが進行すれば、リンパ節や他臓器へ転移または浸潤して拡がっていきます。ステージや症状などに基づき治療を検討します。一般には、手術や化学療法などを組み合わせて、がんの根治をめざします。また、がんの発生部位や病状によっては、手術の時に人工肛門を作らざるを得ないこともあります。聞き手‥予防法はありますか?永田‥「原因」でも説明しましたが、癌の発生にはいろいろな要因が関与しています。健全な生活習慣に注意することはとても良いことですが、この生活をしていれば、大腸癌を確実に予防できるという方法はありません。症状のほとんどない早期がんで見つけることが、まずは重要です。早期がんで見つかれば、身体への負担は小さい治療で、確実に治る可能性が高くなります。早期発見につなげるため、大腸がん検診検査が推奨されています。聞き手‥大腸がん検診はどのようなものですか?永田‥安く・簡単・安全に、誰でも受けられる検査があります。それが便潜血検査です。大腸がんなどの出血源があると、明らかな血便がなくても便に少量血が混ざります。便潜血検査は、その血液を拾い上げる検査です。病院でも希望すればできますが、市町村や職場の検診で受けられます。一般に、大腸がん検診を1 , 000人受診すると、約70人が陽性になり、うち1人から2人に大腸がんが見つかります。40歳以上は、1年に1回の検診を受けることが推奨されます。陽性であれば、大腸内視鏡検査でさらに精査を行います。「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン」に述べられていますが、便潜血検査で早期診断につながると、死亡率は60%から80%ほど下がり、進行がんが約50%減ります。早期がんで発見できれば、進行癌で必要な治療は不要になり、医療費の抑制にもつながります。がん検診の受診率は、以前と比べると上がってきています。2013年の国民生活基礎調査結果で、全国40歳から69歳の男女計大腸がん検診受診率は37・9%です。我が茨城は36・8%という結果です。さらなる受診率向上が期待されます。聞き手‥大腸内視鏡検査について教えてください。永田‥下剤できれいにした大腸に、肛門から直径10mmほどの管状の内視鏡をいれて検査します。大腸がんやポリープ、腸炎などの観察に加え、細胞をつまみだす生検検査やポリープ切除なども可能です。近年粘膜内にとどまる腫瘍であれば、多少大きい腫瘍でも内視鏡的に切除が可能になってきています。まだ、可能な施設は限られますが、大腸の内視鏡的粘膜下層剥離術法(ESD法)などの技術は日々進歩しております。一方で、大腸内視鏡検査は、お尻から管が入り恥ずかしいという心理面や、痛いのではないかという先入観から、受けたくない検査と思う方が多いと思います。我々も、できるだけ痛みが出ないように工夫しています。おなかに傷などがない方では、それほど痛みなく検査できる場合もあります。また、施設によっては、痛み止めや鎮静剤を用いて検査する病院もあります。検診で陽性と出ているにもかかわらず、内視鏡検査を受けないでいる方がいます。それでは、検診を受けた意味がなくなるので、精密検査を受けましょう。聞き手‥他の精密検査は可能ですか?永田‥一般的な精密検査としては大腸内視鏡検査が推奨されています。どうしても挿入がしにくい方では、小腸内視鏡技術を応用して、奥まで観察する施設もあります。しかし、まだ可能な施設は限られます。バリウム注腸検査は、一般的に普及している検査で推奨されていますが、病変が見つかった場合には、内視鏡検査が必要となります。CTやMRIを用いた大腸検査も、技術的には進歩しつつありますが、まだ一般的ではありません。大腸内視鏡検査が必要であるが、大腸内視鏡挿入が技術的に困難な患者に、2014年1月から大腸カプセル内視鏡での観察が保険適応になりました。将来的には、できるだけ安全で、負担の小さい検査法が一般に普及されることが望まれます。聞き手‥最後にまとめをお願いします。永田‥繰り返しになりますが、大腸がんは他人事ではありません。皆様自身や皆様の周りの大切な方、誰にでも起こりうる疾患です。日々健康的な生活を意識しましょう。そして、大腸がんの早期発見が重要です。周りの方も誘って、大腸がん検診を受診しましょう。大腸がんはやくみつけて安心ね!?大腸がん検診を受けましょう?★全体運★スムーズに長所をアピールできる月。温めていたプランがあるなら、実行に移して。周囲の協力も期待できそう★健康運★栄養バランスが偏りがち。意識してみて★幸運を呼ぶ食べ物★ごま天秤座(9/23~10/23)